ヨハネスブルグの旅行記【南アフリカ】
2023年9月9日〜9月18日に南アフリカ共和国、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナを旅行してきた。
この記事は、飛行機の乗り換え時間で南アフリカ共和国のヨハネスブルグを観光したときの旅行記である。なお、料金は当時の値段とレートで記載している。
ヨハネスブルグについて

南アフリカ共和国は、行政・立法・司法の機能をプレトリア・ケープタウン・ブルームフォンテーンの3つの都市に分散しているため、首都が3つ存在する世界的に珍しい国である(日本の外務省のページではプレトリアが首都)。
で、今回訪れたヨハネスブルグは、プレトリアの近くにある南アフリカ最大の都市。アフリカ最大の証券取引所であるヨハネスブルグ証券取引所があるなど、南アフリカの経済の中心地となっている。
治安

ヨハネスブルグを語る上で外せないのが治安。
世界の「人口あたりの殺人発生件数」ランキングで上位に食い込んでいる南アフリカ共和国。
そのなかでも大都市の治安は非常に悪く、2026年10月現在、外務省はヨハネスブルグ、プレトリア、ダーバンのCBD※をレベル2(不要不急の渡航中止)に指定している。
※CBD⋯Central Business Districtの略。以前は企業のオフィスが集積するビジネス地区だったが、現在は治安が悪化している。
渡航前に外務省の「安全の手引き」を読んだところ、これまでに多数の邦人が窃盗などの犯罪に巻き込まれている。犯罪の特徴として銃などを使った凶悪犯罪が多いとのこと。

これまで、イタリアで友人がスリにあったり、カンボジアでぼったくられたりしたが、南アフリカは毛色が違う。銃を突き付けられるらしい。
実際に訪れるまではかなり緊張していた。
では、なぜそんな治安の悪い場所に行くことになったかというと、航空チケットが安かったから。
アフリカ屈指の大都市であるヨハネスブルグにはアフリカ南部の国々へのフライトが集中しているため、まずはヨハネスブルグに行き、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナを周ってから再びヨハネスブルグに戻ってくる旅行を計画した。
ヨハネスブルグへ

日本から南アフリカ共和国への直行便はないので、今回はキャセイ・パシフィック航空という香港の航空会社を利用した。
料金は往復約14万円だった。

地図を見ると東京からヨハネスブルグまでのフライトはほぼ一直線で、最短距離で移動することが出来たと思われる。

ただ、香港からヨハネスブルグ間のフライトが13時間もあって長かったのと、インド洋上空を航行中に機体がめちゃくちゃ揺れたので疲れた。
過去一過酷なフライトだった気がする。
日本を出発して21時間後、ヨハネスブルグのO.R.タンボ国際空港に到着した。
O.R.タンボ国際空港

ヨハネスブルグ近郊にある南アフリカ共和国最大の空港がO.R.タンボ国際空港。多くの国際線が発着しており、日本から南アフリカに行くと、大抵この空港に到着することになると思う。
O.R.タンボ国際空港に到着後、同空港で乗り換えを行い、その日の夕方にナミビアへ飛ぶ予定だったので、空いた時間でヨハネスブルグを観光することに。

さて、治安が悪いことで有名なヨハネスブルグの街に行くにあたって、荷物は最小限にしておきたいところ。まずは空港のロッカーに荷物を預ける。

ロッカーがあるか心配だったが、円形の吹き抜けになっている広場からエスカレーターを下った場所に荷物預かり所があった。
有人タイプの荷物預かり所で、手元のメモによると料金は荷物1つあたり80ランド(≒620円)だった。
ヨハネスブルグ

こちらがヨハネスブルグの地図。
外務省の「安全の手引き」にて、治安が悪いと名指しされているのが、CBD、ヒルブロウ、ベリア、アレクサンドラという地区。
一方、比較的安全とされているのが、サントンやローズバンクという地区。
サントンとアレクサンドラは目と鼻の先にある訳だが、GoogleMapの衛星画像で上から眺めてみると、様子が全く違って面白い。
空港への往復を考慮すると、観光に当てれる時間は4時間ほどしかなかったので、バスに乗ってヨハネスブルグを周るツアーに参加することにした。
空港から市内へ

コンスティチューション・ヒルという場所からバスツアーに参加するため、まずはそこに向かう。
O.R.タンボ国際空港からヨハネスブルグ市内に向かう手段は主に3つ。
・メトロレール⋯安いけど危険。駅が空港から少し離れている。
・ハウトレイン⋯高いけど安全。駅が空港直結。
・タクシー
ハウトレインを使おうかと考えていたが、コンスティチューション・ヒルの最寄り駅であるヨハネスブルグ・パーク駅周辺の治安が悪いとのことで、駅を出た瞬間にやられる可能性がある。
時間もないのでUberを呼んで、空港から直接タクシーで行くことにした。

ヨハネスブルグの中心部に向かって行くと、高層ビルが見えてきた。奥に見えている円筒状のビルが、かつて治安が悪かったことで有名なポンテタワー。

ポンテタワーはベランダがないので表面がツルッとしている。かっこいい。
タクシーの窓から街を眺めながら移動していると、あっという間に目的地に到着した。1時間もかからなかったと思う。
タクシー代は255ランド(≒1970円)で、2人で割るとハウトレインより安かった。
コンスティチューション・ヒル

タクシーで到着したのはコンスティチューション・ヒル(Constitution Hill)という博物館。
少しだけ歴史の話をすると、1948年から1994年までの間、南アフリカ共和国ではアパルトヘイトという白人と非白人の人種隔離政策が行われていた。
その間、反アパルトヘイトの活動家を含む多くの犯罪者が収容されていたのがこの収容所で、特に黒人の収容所は劣悪な環境だったらしい。
後に南アフリカ共和国の大統領に選出されたネルソン・マンデラや有名なマハトマ・ガンジーもここに収容されたことがあるそうだ。
現在は南アフリカ共和国の憲法裁判所が設置されていることからコンスティチューション・ヒル(日本語訳:憲法の丘)と呼ばれている。

治安が悪いとされるヒルブロウ地区のすぐ隣にあるが、この施設だけは安全らしい。
世界遺産としてのコンスティチューション・ヒル

出典:[Wikimedia Commons](https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10664759)
登録名:人権、解放、和解:ネルソン・マンデラの遺産
登録年:2024年
登録区分:文化遺産
登録基準※:(6)
※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。
登録基準とその内容(私が[UNESCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/1676)を見て要約したもの)を書いていく。
(6)歴史的出来事や伝統、宗教・芸術などと直接関連するもの →アパルトヘイトに対する闘争から新しい社会が構築されるまでに起こった出来事に関連する場所
今回訪れたコンスティチューション・ヒルは、14件の構成遺産の1つで、他の遺産は南アフリカ共和国東部に点在している。

私が訪れた2023年時点では、まだ世界遺産に登録されていなかったが、いつの間にか世界遺産に登録されていたようだ。
ナンバー4

見学ツアーもあるようだが、時間もないので今回は個人で見て回ることにした。チケット代は75ランド(≒580円)。
最初に訪れたのが、ナンバー4(Number Four)と呼ばれていた収容所跡地。主に黒人の犯罪者が収容されていた場所であった。


当時の様子を再現した部屋、トイレなどがあった。ガンジーはこのナンバー4に収容されていたとのこと。
オールド・フォート

続いて訪れたオールド・フォート(Old Fort)は、ヨハネスブルグに建設された最初の刑務所で、要塞として使用されていた経緯もあるため周囲を小高い土塁で囲まれている。
基本的には白人の囚人が収容されていたそうだが、ネルソン・マンデラだけは、黒人の囚人たちと同じ場所に収容するには影響力が大きすぎると判断され、例外的にここに収容されていたらしい。

土塁は周囲の街並みを一望できるほど高くはないが、安全な場所から街の様子を眺めることができる。
治安が悪いとされるヒルブロウ地区を見ていたが、見ている限りでは暴力などの犯罪は起きていないようだった。

こちらはオールド・フォートの南西にあるヨハネスブルグ市役所。
今見返すと、建物の雰囲気が兵庫県庁と似ている気がする。

女性刑務所

最後に訪れたのが女性刑務所(Women’s Jail)。このように屋外にシャワーが設置されていて、周囲のビルから覗くことができたらしい。

女性刑務所が一番刑務所っぽい建物だった。
博物館全体的に説明は少なめなので、時間があればツアーに参加したほうがいいと思う。
そうこうしているうちにバスツアーのバスが到着した。
バスツアー(Hop On Hop Off Tour)
Hop On Hop Off Tourは、2階建ての観光バスでヨハネスブルグの名所を周ることができるツアー。1日に何本も運行されているので、観光地で降りて観光し、また別のバスに乗るという事も可能。
ローズバンクにチケット売り場があるが、私はそこに行かなかったので、チケットは事前にネットで購入しておいた。予約したサイトは[コチラ](https://citysightseeing.co.za/en/joburg)。
料金は1日乗り放題で259ランド(≒2,000円)。1回しか乗らなかったので、少しもったいない気がするが仕方がない。ルートは下の図の通り。

私が乗車したのはヨハネスブルグの中心部を周る赤色のルート。コンスティチューション・ヒルが乗り換え場所になっているので、そこから乗車した。
ソウェトのツアーは別料金だった。
席は空いていて選びたい放題だったので、開放感のある2階に座った。
乗車時には1人1個イヤホンを貰える。席にはイヤホンジャックがあり、日本語ガイドを聞きながら移動できる仕組みだった。音質はあまり良くない。

出発後、バスはヨハネスブルグ・パーク駅の西側にある橋を通過。奥に見えるのがヨハネスブルグ・パーク駅で、ものすごい数の列車が並んでいた。

事前に見ていたバスの運行ルートでは、CBD地区のド真ん中を通るルートだったが、CBD地区には近づくことなくソウェトの方向へ向かって進んでいった。
CBDを通るのを楽しみにしていたので、少し残念。

郊外に行くと、路上で散髪をしている人も。

サッカー・ワールドカップ2010の決勝の試合が行われたFNBスタジアムも遠くに見えた。
この後、バスはアパルトヘイト博物館に近いゴールド・リーフ・シティに停車。
ほとんどの乗客はアパルトヘイト博物館に行くために降りていたが、私は空港に戻る必要があったので降りず。そのままバスに乗り続けてコンスティチューション・ヒルまで戻り、タクシーで空港に戻った。
これにて乗り継ぎ観光終了。
感想
ヨハネスブルグを訪れてみての感想を書いていく。
①治安は…

たった数時間の滞在で治安について言うのもあれだが、私が観光したルートでは、危険な目にも遭わなかったし、殺伐とした雰囲気も感じなかった。
まあ、危険な場所に行っていないのだから、当たり前といえば当たり前。
ちなみに、1週間後に再びヨハネスブルグに戻ってきてレンタカーで田舎を運転した時も、特段危険な目には遭わなかった。
②用心はしたほうがいい

私は被害に遭わなかったが、外務省の「安全の手引き」を読むと、日本人も被害にあっているようだし、「防ぎ様なくね?」と思うような理不尽な事件も発生している。
安全の手引きをよく読み、できるだけ安全に観光できる計画を立ててから訪れることをオススメする。
③アメリカっぽい

私はアメリカに行ったことはないが、グランド・セフト・オートというゲームで、架空のアメリカの都市を歩き回ったことがある。
ヨハネスブルグ中心部は、なんとなくアメリカの都市のような雰囲気を感じた。
これについては、一緒に旅行していたアラヨットのツレ(アメリカ留学経験アリ)も同意してくれた。
オススメ度
★★★☆☆ 星3
YouTuberなどのインフルエンサーが「世界最恐都市」とかなんとか煽ってくるせいで物騒なイメージがあるヨハネスブルグだが、行く場所を選んでタクシー移動すればある程度は安全に観光できるのではないかと感じた。
個人的にはヨハネスブルグの雰囲気を感じることができて楽しかったが、まち歩きを気軽にできない以上、ヨハネスブルグで出来ることはそう多くないのかもしれない。
今回のヨハネスブルグの滞在時間はたったの数時間だったが、旅行終盤には南アフリカ共和国のドラケンスバーグ山脈を訪れた。その時の旅行記はまた後で書きたい。
ナミブ砂漠の旅行記につづく