アルティン・アラシャンの旅行記【キルギス】
2026年7月3日〜7月12日のキルギス旅で訪れたアルティン・アラシャンの旅行記。
アルティン・アラシャンについて

アルティン・アラシャン(Altyn-Arashan)とは、現地の言葉で「黄金の温泉」を意味する標高約2,500mほどの渓谷で、カラコル南東の天山山脈の中に位置している。
カラコル付近の山々は人気のトレッキングエリアになっていて、名前の通り温泉が湧き出ているアルティン・アラシャンはトレッキングの拠点として多くの人が訪れる場所となっている。
アルティン・アラシャンへの行き方

トレッキングの拠点であるアルティン・アラシャンを訪れるルートはいろいろ存在するが、上の図でいう「①アラシャン渓谷ルート」が最短のルートとなる。
私もこのルートを通ったので、このルートについて紹介する。
ちなみに2日間ほど要する「②カラコル渓谷ルート」を通る人も結構いた。
①は長期休暇が取りにくいアジア人、②は長期休暇を取りやすい欧米人が多かった印象だ。
具体的な行き方

アルティン・アラシャンへの交通手段としては、歩き、ジープ、馬などがあるが、色々考えた末、以下のような工程でアルティン・アラシャンを訪れる予定とした。
7/6:カラコルからアク・スー村までタクシーで行き、そこからアルティン・アラシャンまで15kmほど歩いていく。時間に余裕があればアニルトルという場所にも行く。
7/7:アラコル湖までホーストレッキング。
7/8:ジープでカラコルに戻る。
7/7は別の場所に向かう予定で、早めにカラコルに戻る必要があったのでジープを利用することにした。ジープは1台10,000ソム(≒18,700円)と結構高いので、その分7/6は頑張って歩くという方針。
ちなみに、7/8のジープ送迎をお願いしたのはMirano Travelというカラコルの旅行代理店。最近、月・水・土曜日限定でアルティン・アラシャンへの乗合送迎サービスを始めたらしい(1人2,300ソム(≒4,200円))。
私も可能であればそれに乗りたかったが、残念ながら満員だったので歩いていくことにした。
Mirano Travelのインスタグラムは[こちら](https://www.instagram.com/mirano__travel/)。WhatAppの連絡先や乗合送迎サービスについても書かれている。
筆者の体力について
重要な情報だと思うので、前提条件として我々の体力レベルについて簡単に書いておく。
・アラヨット(31歳♂)
小中高運動部で、社会人になっても週一でフットサルをしている。登山経験は年一で日帰り登山をしている程度。
・アラヨットのツレ(31歳♀)
中高文化部で、社会人になってから月一でヨガをしている。登山経験は皆無に等しく、練習のために訪れた蓼科山では、老若男女問わず全ての人にごぼう抜きにされるレベル。上り坂にめっぽう弱い。
今回は、アラヨットのツレ(31歳♀)に合わせてハイキングをしたので、それを前提として読んでいただきたい。
アルティン・アラシャンへのハイキング
前置きが長くなったが、ここから実際のハイキングについて記載していく。
カラコル→アク・スー

不要な荷物をカラコルのホテルに預かってもらい、タクシーでハイキング開始地点まで向かった。
路線バスでも行くことは可能だが、そもそも路線バスが出発するバザールまで微妙に距離があり、そこまで行くのが面倒だったのでホテルからタクシーで行くことにした。料金はYandexGoを使って450ソム(≒840円)ほどで、30分くらいで到着した。

アルティン・アラシャンへのハイキング開始地点には、上の写真のような看板があるので分かりやすい。ここから15kmのハイキングが始まる。
上の写真の場所を貼り付けておく。 バスであればここで降ろされるが、タクシーであればもう少し先まで行けそうな雰囲気があった。
アク・スー→料金所

ハイキングを開始してからは、緩やかな傾斜の上り坂が続く。道のすぐ横にはアラシャン川が流れており、基本的にこの川に沿って歩いていく。

このあたりはまだ路面状態もよく、馬の糞も少ないので、ストレスなくハイキングができるが、その分景色はいまいち。

ハイキング開始から50分ほどで料金所に到着した。ここで公園の入園料を1人220ソム(≒400円)ほど払う。
料金所→Forest range 2

料金所から先も変わらず緩やかな上り坂が続くが、時間帯的にカラコルからアルティン・アラシャンへ向かうジープの数が増えてきた。体感的に10分に一度くらいの頻度で追い越される。
水たまりも多く、背後からやってくるジープを避けながら歩くのが結構ストレスだった。



料金所を通過してから2時間10分後に「Forest range 2」という地点に到着した。 ※「Forest range 2」とは現地の案内板に書いてあった地点名称
Forest range 2→アルティン・アラシャン

「Forest range 2」を過ぎたあたりから急勾配(前半比)の坂が増え、時間帯的にも暑くなってきたので、じわじわ汗をかいてきた気がする。
一方、景色に関しては、代わり映えしない道が続くので、ちょっと飽きてきた。


道中、上の写真のようなトイレをいくつか見かけた。中は穴の上に板を被せているだけの簡素な作りだった。

アルティン・アラシャンに近づくにつれ、急な坂が多くなり、アラヨットのツレ(31歳♀)が立ち止まる頻度も多くなってきた。
特に最後の方は大変そうだったが、なんとか最後の峠を越え、アルティン・アラシャンに到着。ハイキングを開始してから5時間半が経過していた。


苦労してたどり着いたアルティン・アラシャンは、盆地と呼ぶには狭いが、今まで歩いてきた渓谷と比較するとあまりにも広い。
ゲストハウスやユルト※がいくつかあり、馬や牛がたくさんいる光景を見て、なんだかホッとした。
※ユルト⋯中央アジアの遊牧民の移動式住居。モンゴルで言うところのゲルである。
アルティン・アラシャン

アルティン・アラシャンはアラシャン川にアニルトル川が合流する場所付近にできたちょっとした平地で、南から北に流れるアラシャン川の右岸にたくさんのゲストハウスが建ち並んでいる。

基本的に宿以外の施設は無く、物を買えるのも各宿が運営している小さな売店だけ。
現地を見た感じでは、3つほど大きなゲストハウスがあった。アラクル・ゲストハウスとアラシャン・ホテル、そして私が宿泊したゲストハウス・エルザである。エルザについては後ほど紹介する。
また、アルティン・アラシャンの北西部には誰でも入れる露天風呂があるらしいが、私が泊まった宿には温泉が付いていたので行かなかった。

アニルトル渓谷へのハイキング

アルティン・アラシャンに到着して1時間ほど休憩した後、地図上でアルニトル(Anirtor)と表示されている場所に行くことにした。
そこは谷地形になっており、流れる川には「アルニトル川」という名前が付いていることから、おそらくアルニトルというのはこの渓谷の名前であると考えられる。以降、アルニトル渓谷と呼ぶことにする。

アルニトル渓谷を登り始めてからしばらくは、そこそこの上り坂が続く。
標高がぐんぐん上がるので、出発してから30分後にはアルティン・アラシャンが見えなくなった。


更に登っていくと針葉樹が減り、低木が点在する草原へと景色が変わっていく。

アニルトル川の反対側には放牧されている羊がたくさん。荒々しい山がかっこいい。


草原にはマーモットも住んでいた。モチモチしていてかわいい。 警戒心が強く人が近づくとすぐに巣に入ってしまうので、望遠カメラか双眼鏡があったほうがいい。

マーモットを見てから15分くらい登ると、谷底が開けている場所に到着した。樹木が1本もなく、谷底に草原が広がっている壮大な景色だった。
山の斜面を見た感じ、氷河に削られることで形成されたU字谷のように見える。

可能であれば奥まで進んでみたかったが、時間と体力を考慮してこの辺りで引き返すことにした。
私が引き返した地点は、下に貼り付けたGoogleMapの「Anirtor beatiful place」という場所の付近。奥にはなだらかな草原が続いているようだった。
結局、引き返してからは、登りの半分の時間で下り終え、18時半にはアルティン・アラシャンに帰ることができた。外はまだまだ明るかった。
泊まったゲストハウス

最後に宿泊した宿を紹介したい。宿泊したのはゲストハウス・エルザ(Guest House Elza)という宿。
可能であれば1日の終りにお風呂に入りたい人間なので、シャワーか温泉のある宿を探していたところ、宿専用の温泉があってご飯も美味しいというエルザに白羽の矢が立った。
予約は直接宿の方とWhatAppでやり取りをして行う。
GoogleMapに紐づいているFacebookにWhatsAppへのリンクが掲載されているので、予約したい人はそこからぜひ。
私は1ヶ月前に連絡をしたので空いていたが、宿泊した日はかなりお客さんがいたのでハイシーズンは早めに連絡したほうが良いかもしれない。
予約したのはトイレ付きダブルルーム朝食込みで1泊7,000ソム(≒12,600円)だったが、他にもっと安いドミトリー部屋やユルトもある。支払いは現金のみ。

エルザは、いくつかの棟が建ち並ぶ小さな村のようなゲストハウスで、私が予約した部屋があるのは4号棟という黒色の建物だった。

4号棟は最近増築された新しい建物で土足禁止。部屋は簡素だがとても清潔で床も布団もフカフカで快適だった。

部屋の窓からの景色は正面に山が見えてとても良い。手前の煙突のある建物が調理場兼食堂で、窓を開けると美味しそうな匂いがする。

トイレにはトイレットペーパーが備え付けられており、水もちゃんと流れる。石鹸などはなかった。

アラシャン川のすぐそばにはエルザが所有している温泉がある。
入浴は1枠30分の予約制のため、入浴時間は宿のマネージャーと事前に相談して決めておく必要あり。基本的に早いもの勝ちで予約が埋まっていくようだった。

温泉内部はこんな感じで、湯船は10人くらい入れそうな広さ。お湯は若干ぬるめで体感温度は37℃くらいだった気がする。
個人的には登山と温泉はセットであるという考えを持っているので、ハイキングの後に湯船に浸かれるのはとてもありがたかった。
ちなみに、温泉のほかに共同のシャワールームもあるので、温泉に入れなくとも暖かいお湯のシャワーを浴びることができる(17時〜21時の間のみ)。


夕食は別途900ソム(≒1,620円)で付けることができる。ボリュームたっぷりで、キルギスで食べた料理の中で1番美味しかった。
他に食べる場所もないので、エルザに泊まる人は夕食をつけたほうがいい。
夕食会場では「私の奥さん日本人です」いうオーストラリア人と相席した。 私が明日行く予定のアラコル湖について、とても良かったという話を聴けたので、期待に胸を膨らませながら寝た。
感想
アルティン・アラシャンを訪れてみての感想を書いていく。
①アルティン・アラシャンまでの道は微妙

アク・スー村からアルティン・アラシャンまでの道のりは、普通の田舎道のような代わり映えのない景色が続くのであまり楽しくない。
それと、頻繁に通り過ぎるジープを避けながら歩くのが結構ストレスだった。
仮にアルティン・アラシャンへのハイキングだけを目的としているのであれば、やめたほうがいいレベル。アルティン・アラシャンに到着してからの時間をある程度確保したほうが良いと思う。
②ハイキングかジープか

では、ハイキングでなくジープで行くべきかというと一概にそうは言えない。ジープのチャーター代金が高額で費用が10倍以上に膨れ上がってしまう。
それと、山道を走る1時間半の間、車内がものすごく揺れる。ハイキングよりは楽ではあるが、これはこれで疲れる。酔い止め薬は持っていったほうがいい。
https://www.instagram.com/reel/Dbw2R9Mv8ui/?stkn=ZWMxaWFmMWh2cGpk
③アニルトル渓谷もよかった

アルティン・アラシャンの景色も良かったが、アニルトル渓谷や翌日訪れたアラコル湖の景色はもっと良かった。疲れている中、アニルトル渓谷まで頑張って登って本当に良かったと思っている。
せっかくアルティン・アラシャンまで来たのであれば、もう少し足を伸ばしてどこかに行かないともったいない。
④荷物の準備は念入りに

雨具や防寒着、水などハイキングに必要なものはたくさんあるが、持ち過ぎても荷物が重くなりハイキングが大変になる。荷物の準備は念入りにしたほうがいい。
私が実際に持っていった荷物については、別記事にまとめたいと思っている。
オススメ度
★★★★★ 星5
アルティン・アラシャンに関する記事や動画を見てみると、多くの人がアルティン・アラシャンで一泊だけして帰っているように見受けられる。
アルティン・アラシャンも思ったより良かったが、さらに奥に行くともっと素晴らしい景色が待っている。
私が訪れたアニルトル渓谷はアルティン・アラシャンから往復4時間もあれば見ることができるので、日本からはるばる来たのであれば、アルティン・アラシャンから先に進んでみることをオススメしたい。
アラコル湖の旅行記につづく アラコル湖の旅行記【キルギス】