九寨溝の旅行記【中国・四川省】
2025年9月3日~9月7日、九寨溝・黄龍旅行の旅で訪れた九寨溝の旅行記。
九寨溝について

九寨溝は、中国・四川省北部の山岳地帯にある渓谷で、周辺にチベット族の村が9つ存在したことから、その名が付けられたと言われている。
流れる水の透明度が高く、青く美しい湖沼群があることで有名で、世界遺産にも登録されている。

現地の案内板によると、九寨溝は以下のような経緯で形成されたようだ。
・約4億年前、この地域はたくさんの古代生物が生息する浅瀬の海で、長い年月をかけて生物の死骸が積み重なり、炭酸カルシウムが堆積。厚さ4,000m の炭酸塩岩(石灰岩など)が形成される。
・6,500万年前にインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突した際の地殻変動で隆起。氷河の浸食作用により谷ができる。
・炭酸塩岩の層から流れ出す水に炭酸カルシウムが豊富に含まれているため、水中の倒木などには石灰岩のような被膜が形成され、九寨溝独特の景観が生まれる。

炭酸カルシウムが湖底に沈殿しているため湖底は白く、明るい湖底が光を反射し、九寨溝の湖は、白い砂浜の海辺のように美しく見える。
九寨溝の水の色が好きで、昔から行ってみたかった場所だった。
世界遺産としての九寨溝

登録名:九寨溝の渓谷の景観と歴史地域
登録年:1992年
登録区分:自然遺産
登録基準※:(7)
※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。
登録基準とその内容(私が[UNESCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/637)を見て要約したもの)を書いていく。
(7)「類まれな自然美や美的重要性を持つ自然現象や景観を含むもの」 →ミネラル豊富で澄んだ水によってできた湖、滝、石灰岩の段丘などの美しい景観
(7)の美的景観という登録基準のみで登録されてるが、中国で最初に登録された世界自然遺産の一つである。
成都から九寨溝へ

四川省の省都である成都市から九寨溝への移動に使った交通手段は高速鉄道とバス。
成都東駅⇔黄龍九寨駅間の高速鉄道は最近開通したようで、欠航が多く運賃も高かった飛行機に比べてかなり便利になったらしい。
高速鉄道の所要時間は2時間程度、黄龍九寨駅から九寨溝までは、バスで2時間半くらいかかる。
成都東駅→黄龍九寨駅

成都には東西南北にそれぞれ鉄道駅があるが、九寨溝方面行きの鉄道が発車するのは成都東駅。
成都東駅には地下鉄2号線と7号線でアクセスできる。

成都東駅から黄龍九寨駅の電車はTrip.comで予約した。 料金は2等席の指定席で片道3,200円くらいだった。
中国の高速鉄道は購入時に登録した身分証明証がチケット代わりになるシステムで、外国人の場合はパスポートがそれにあたる。成都東駅では駅の入口とプラットフォームへ降りるゲートでチェックされた。

最初は不安だったが、問題なく乗ることができた。
1点だけ注意事項があるとすれば、外国人のパスポートに対応しているゲートは限られているので、ゲートの列に並ぶ場合はどこのゲートが対応しているかよく確認してから並んだほうがいい。

車内は日本の新幹線とあまり変わらない様子だった。
黄龍九寨駅→九寨溝

17時に成都東駅を出発して黄龍九寨駅に到着したのは19時頃。九寨溝に行くにはバスで更に2時間半ほど移動する必要がある。
私はTrip.comで事前にバスを予約していたが、車両を見つけるのに苦労した。事前に分かっていたのは運転手の携帯電話番号だけで、車のナンバーとかの情報はなし。周りの人に聞こうにも英語が通じない。
客引きのおばちゃんに助けてもらってなんとかバスに乗ることができたが、客引きのおばちゃんがいなければ乗れなかったと思う。外国人がTrip.comで予約したバスに乗るのは難しそうだなと感じた。
ちなみに、予約してた金額とおばちゃんの言い値はそんなに変わらなかった。
九寨溝周辺の町

バスはいくつかのホテルに停まりながら進んで行き、最終的に公園入口を過ぎたところにある「星宇国际大酒店」というホテル付近が最後のバス停だった。

バスを降りた場所からホテルまでは徒歩20分くらいの距離だったので歩いて向かい、ご飯を食べてすぐに寝た。明日はいよいよ九寨溝を観光する。
公園入場

翌朝、ホテルの送迎サービスで九寨溝の入口まで送ってもらい、入場ゲートに向かう。

開園は8時だったが、私が入場ゲートに着いたのは8時30分頃。 大行列を覚悟していたが、15分くらい並んでいたら入ることができた。
ちなみにチケットは高速鉄道と同じくTrip.comで予約していて、パスポートを提示するとゲートを通過する事ができた。入園料は5,700円くらい。
九寨溝の全体図

九寨溝は逆Y字状の谷になっており、南側に行くに連れて標高が高くなっている。 「公園入口」から標高が最も高い「長海」までの直線距離はおよそ25km。効率よく見て回るには園内を走るバスをうまく活用する必要がある。
公園内には以下の2種類のバスがあった。 ・各停のバス ・シャトルバス(公園入口⇔ビジターセンター、ビジターセンター⇔長海など)
私が入園後に適当に乗ったバスはノンストップで箭竹海という湖まで走るバスだった。
箭竹海

公園入口で乗ったシャトルバスに乗ること30分程度で箭竹海に到着。
箭竹海の先には原始森林という場所があるが、どのくらい時間が掛かるか読めなかったので行くのはやめた。中国人観光客の中でも原始森林を目指している人はごく僅かだった。

箭竹海は水深が深いため、深い青色をしている湖。
道路側と森林側2つのルートがあり、私は森林側を歩いたが、写真を撮ると道路が映るのでどうしてもダムっぽい写真になりがち。

熊猫海

熊猫海は、上流の箭竹海と同じような湖。箭竹海と代わり映えしないためバスに乗って移動する人も多く、あまり人がいなかった。
五花海

五花海は、箭竹海と熊猫海と比較して水深が浅いため、湖底や水中の植物がよく見える。
見る場所や角度によっていろんな景色を楽しむことができた。




九寨溝の中で一番感動したのが五花海だった。
珍珠灘(珍珠滩)

珍珠灘は、なだらかな斜面を水が流れている滝とも川とも言えない斜面で、今まで見たことのないタイプの自然だった。

斜面の下には珍珠灘瀑布という大きな滝があって、遊歩道を歩いているとたどり着く。なかなか迫力のある滝だった。
諾日浪ビジターセンター

珍珠灘の下流にある鏡海は、チラッと見た感じ箭竹海や熊猫海と同じタイプの湖だったので、見るのをやめて、バスでビジターセンターまで向かった。

ビジターセンターは、九寨溝公園におけるバスターミナルのような場所で、レストランやお土産売り場も併設されている。
ちょうどお昼時だったので、昼ご飯を食べた後に長海・五彩池の方に向かった。
長海

長海は九寨溝で最も標高が高く、最も大きい湖だが、曇っていてよく見えなかった。

標高が高いので気温も低い。雨もそこそこ強めに降ってきて寒かったので、足早に次の五彩池へ歩いて向かった。
五彩池

長海から歩いて15分くらいの場所にあるのが五彩池。
五花海と違って水中に植物があまり生えていないため、白い湖底が水の色を綺麗に映し出していた。

小さめの池だったが、水の色は五彩池が一番綺麗だと思った。
五彩池を見たあとはバスに乗ってビジターセンターに戻った。
諾日浪瀑布(诺日朗瀑布)

ビジターセンターから歩いて5分くらいの場所にある諾日浪瀑布は、中国で最も幅が広い滝らしい。

道路の反対側の山を登ったところにある展望台からは滝を上から眺めることができる。
犀牛海・老虎海

諾日浪瀑布から犀牛海まではバスで移動した。

犀牛海は最初に見た箭竹海や熊猫海に似たタイプの湖だが、少し晴れてきたためか、湖の色が鮮やかに見えた。

湖の流れが急な所にはチベット仏教の寺でよく見るマニ車が設置されていた。
マニ車は筒状の部分にお経が書かれており、マニ車を回すとお経を読むのと同じ徳を得られるというコスパの良い宗教器物だが、水力マニ車は、川の力で回してしまおうという怠惰すぎる発明品。
水の力で回したマニ車は、誰が徳を得られることになるのだろうか。
樹正群海(树正群海)・臥龍海(卧龙海)・火花海・双龍海(双龙海)

多数の湖が棚田のように連なる樹正群海。その先には臥龍海・火花海・双龍海と続いている。上から見ると分かりやすいが、湖の直ぐ側を歩いていると、どの湖を見ているかよく分からなかった。
この辺りは観光客も少なくて、池や滝をじっくり見ることができるのがよかった。



ちなみに最初の写真は樹正寨(树正寨)というチベット族の村の展望台から見た景色。
村自体は建物が新しく、いかにも観光客用という雰囲気のためあまり好きじゃなかった。
芦葦海(芦苇海)

芦葦海は芦が生い茂る湿地帯。
訪れたのは終盤で、流石に湖はお腹いっぱいだったので、違う景色が見れてよかった。
湿地帯とはいえ川の水はめちゃくちゃ綺麗。

この辺りは人がほとんど歩いてないためこの先バス停があるのか不安だったが、荷叶寨という村まで歩くとバス停があった。
バスに乗って公園出口にまで行き九寨溝観光終了。
訪れたルート

朝8時半に公園に入り、出たのが17時半だった。1日である程度の場所を回ることができた。
感想
九寨溝を訪れてみての感想を書いていく。
①自然がすごい

湖は期待通り綺麗だったし、細部に目を向けると、自然が作り出す芸術なんかを見ることができる。そういう自然を見ながら移動していると、湖と湖の間の移動も楽しかった。
②整備が行き届いている

九寨溝全体を通して遊歩道はかなり整備されているし、バスもよく考えられて運行されている。
また、50m歩くと清掃員とすれ違うほどの大量の清掃員を動員しており、園内にはゴミ一つ落ちていない。
③地震の影響

2017年の四川地震によって九寨溝も被害を受け、諾日浪瀑布や火花海が大きな被害を受けたらしい。場所によっては、土砂崩れの跡のようなものも見受けられた。
ただ、湖はほとんど回復しているようで、観光している分には、地震の影響はほとんどないように感じた。
④オススメの湖

一番のお気に入りは五花海だが、水の色だけなら五彩池もとてもきれいだった。
水深が浅い湖は湖底まで見えるため、湖ごとの特色が見れて楽しかった一方、熊猫海や長海などの水深の深い湖は、ただ青いだけなのでちょっと飽きてくる。
これに関しては天気とか風の強さとかで変わってくると思う。
オススメ度
★★★★★ 星5
私が訪れた日の天気は曇り時々雨。天気によっても湖の見え方は違ってくると思うが、曇りでも十分綺麗だった。
一日中湖ばかり眺めていると流石に飽きてくるかなと思っていたが、いろんな種類の湖があるので、思ったより退屈せずに見て回る事ができた。
また、朝から夕方まで歩き回ったが、基本的に標高が高いとこから低いところに歩くので体力的にも楽だった気がする。
黄龍の旅行記につづく 黄龍の旅行記【中国・四川省】
九寨溝・黄龍旅行のまとめ記事はこちら 九寨溝・黄龍旅のまとめ記事