ゴールデンサークルの旅行記【アイスランド】
2022年9月2日〜9月11日のアイスランド旅で訪れたゴールデンサークルの旅行記。
ゴールデンサークルとは

ゴールデンサークルとはアイスランドの首都レイキャヴィークから比較的近い場所で観光地が集まっている場所。
主な観光地として、巨大な滝グトルフォス、間欠泉や温泉が集まっているゲイシール地熱地帯、大地の割れ目を見ることができるシンクヴェトリルなどがあり、シンクヴェトリルは世界文化遺産に登録されている。
「あれ、自然遺産じゃないんだ。」と思った方もいるかも知れない。私も最初はそう思った。この件に関しては、後で少しだけ説明することにする。
私はグヴォルズヴォールルという町に宿泊していたので、1番近いグトルフォスから行くことにした。
グトルフォス

最初に訪れたのは「黄金の滝」という意味を持つグトルフォス(Gullfoss)。滝は二段で構成されており、計32mほどの落差がある。

グヴォルズヴォールルからグトルフォスまでは車で1時間30分ほどであった。
グトルフォスは北側にあるラングヨークトルという氷河から水が流れてきているとのこと。

グトルフォスの特徴として挙げられるのが、水の勢いがすごいというところ。落差はまあ大したことはないが、アイスランドで見た滝のなかでは、圧倒的な水量で迫力があった。
滝の1段目と2段目の間にある岩が展望スポットになっているので、そこまで歩いていく。

二段目の滝壺からは勢いよく水飛沫が上がっていた。

頼りない柵に囲まれた展望スポットは、かなり滝に近いので水の勢いを間近で見ることができる。大迫力の滝だった。
ゲイシール地熱地帯

続いて訪れたゲイシール地熱地帯(Geysir)はグトルフォスの近くにある温泉や間欠泉が集まっている場所。
ちなみに、Geysirはアイスランド語で「噴出する」という意味で、その名前が間欠泉を意味する英単語「Geyser」の由来となっている。
ただし、英語の発音はゲイシールではなくガイザー。あのクリスタル・ガイザーのガイザーである。

ゲイシール地熱地帯はグトルフォスから車で15分ほどの場所にあって、比較的コンパクトなエリアに温泉、間欠泉が集まっている。

ゲイシール地熱地帯の中で最大の間欠泉は、グレート・ゲイシール(The Great Geysir)と呼ばれる間欠泉。現地の案内板によると、昔は最大70~80mくらいの高さまで熱水を噴き上げていたが、現在は休眠中らしい。

グレート・ゲイシールの近くにあるのがコヌングスフヴェル(Konungshver)という温泉。
先程のグレート・ゲイシールはあまり近づけなかったが、コヌングスフヴェルは熱水を噴き上げる恐れがないためか、かなり近づくことができる。温泉を上から覗くと水が青くてキレイだった。
奥に見えているのがグレート・ゲイシールだ。

現在、ゲイシール地熱地帯で最も活発に活動しているのがこのストックル間欠泉(Strokkur Geyser)。上の写真から推測するに、高さ20mくらいまで熱水が噴出していた気がする。
私が訪れた時は、おおよそ15分に1度熱水が噴出していた。10分くらい経ったころからカメラを向け続けると写真や動画に収めることも可能。

噴出した熱水は風などの影響で思わぬ方向に落ちてくることもある。
上の写真を撮影した時、何人かの観光客に熱水がかかっていた気がするが、そんなに熱そうにしていなかったので大丈夫だったんだと思う。


他にも小さな温泉がいくつかあった。
シンクヴェトリル

最後に訪れたのがアイスランド語で「会議の平原」を意味するシンクヴェトリル(Þingvellir)という場所。
アイスランドにノルマン人(バイキング)が入植し始めたのは9世紀のことで、930年には、島の各地から代表者が集まり、あれこれ話し合うアルシング(Alþingi)という会議がシンクヴェトリルで開催されるようになった。

出典:[Wikimedia Commons](https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=550191)
その後、アイスランドがノルウェーの植民地になったことでアルシングは中断されたが、1944年のアイスランド独立の際は、シンクヴェトリルの「法律の岩」で独立宣言が署名されており、アイスランドの歴史と民族を象徴するような場所となっている。

また、地形的な特徴として、この辺りにはギャウ(gjá)と呼ばれる大地の割れ目のようなものが多数見られる。

アイスランドが北米プレートとユーラシアプレートの間に存在していることは有名だが、アイスランド島にはプレートが離れ合う境界主に2本があり、シンクヴェトリルは南西部の境界に位置している。
そのため、シンクヴェトリルは厳密に言うと、北米プレートとユーラシアプレートの境界ではなく、北米プレートとフレッパルマイクロプレートの境界である。


このリフト帯というものは、地表で見ることができる割れ目より大きなもので、シンクヴェトリルでは幅7kmに及ぶ地溝帯が形成されている。
そのため、ネットでよく見る「ギャウはプレートの境界」というのは誤りで、「プレートの境界にある多数の割れ目の1つがギャウ」というのが正しい。
※これらの情報はシンクヴェトリル国立公園公式サイトなどを参考にした。 シンクヴェトリル国立公園公式サイトは[こちら](https://www.thingvellir.is/en)
世界遺産としてのシンクヴェトリル

登録名:シンクヴェトリル国立公園
登録年:2004年
登録区分:文化遺産
登録基準※:(3),(6)
※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。
登録基準とその内容(私が[UNESCCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/1152/)を見て要約したもの)を書いていく。
(3)現存または消滅した文化の独特な証拠を示すもの →ノルマン文化を反映したアルシングの集会所や住居の跡地
(6)歴史的出来事や伝統、宗教・芸術などと直接関連するもの →アルシングの場であり、独立運動の際も象徴的な場所となったアイスランドの象徴
プレートの境界に位置しており、大地の裂け目などを見ることができる貴重な場所ではあるが、世界遺産に登録されている基準はすべて文化遺産の基準である。日本で言うと、同じく文化遺産として世界遺産に登録されている富士山に似ている気がする。
ちなみに、世界遺産暫定リストにはシンクヴェトリル国立公園の登録基準(7)~(10)が掲載されているので、そのうち世界複合遺産となる可能性もある。
アルマンナギャウ

長々と説明してしまったが、ここから旅行記に戻る。
ビジターセンターがある駐車場の近くの大きな割れ目が、アルマンナギャウ(Almannagjá)で、シンクヴェトリル地溝帯の西端に位置する断層である。上の写真の左手がユーラシアプレート、右手がリフト帯である。

坂を下るように歩いていくと、岩の上にアイスランドの国旗が建てられている。
ここは「法律の岩」というアルシングの中心的な場所があったと考えられており、集会で意見を述べる際はこの岩の上に立って意見を述べていたらしい。


更に北に歩いていくと、大地の割れ目の中に川と滝が現れる。
上流から流れてきたオクサル川が断層で滝となり、アルマンナギャウを数百mほど流れた後、シンクヴァトラ湖に合流する。

水はとても綺麗で、教会付近の橋の上から川を眺めると、泳いでいる魚も見ることができた。写真では見づらいが肉眼だと泳いでいる姿がよく見えた気がする。
ちなみにシンクヴァトラ湖では魚は3種類しか生息していないらしい。写真に写っているのはブラウントラウトだと思われる。
フロサギャウ

アルマンナギャウから少し東側に歩いていくとフロサギャウ(Flosagjá)という割れ目がある。シンクヴェトリルにある多数の割れ目の1つであるが、この割れ目には水が溜まっている。
北側にあるラングヨークトルという氷河から流れ出した水は、地下を通ってシンクヴァトラ湖に流れ込む。多孔質な溶岩地帯でろ過された水は非常に澄んでいるので、割れ目の水もとてもきれいだった。

1時間半くらいシンクヴェトリルを歩いた後に、ビジターセンターで歴史や地学を学んでから、レイキャヴィークに移動した。
シンクヴェトリルで訪れた場所のマップは以下の通り。

感想
ゴールデンサークルを訪れてみての感想を書いていく。
①雰囲気がいい

訪れたシンクヴェトリルの風景を思い浮かべると、小鳥のさえずりが脳内BGMとして勝手に流れてくる(当時、小鳥がピヨピヨと鳴いていたかは覚えていない)。それくらいのどかな場所だった。
②天気が良かった

ラキ火山の記事でも同じ感想を書いたが、この日も天気に恵まれた。9月の晴れた日のアイスランドはとても過ごしやすく、気持ちよく観光することが出来た。
ちなみに翌日から帰国までの2日間の天気は曇りor雨で、一度も晴れることはなかった。
③アクセスがいいのに個性的

ゴールデンサークルはレイキャヴィークから比較的近くてアクセスも良く、観光地がコンパクトにまとまっているにも関わらず、それぞれの観光地が個性的で楽しかった。
オススメ度
★★★★☆ 星4
ゴールデンサークルを訪れたのは、南アイスランドの滝、氷河、火山などの大自然を3日間に渡り満喫した後だったので、正直なところ、訪れる前は消化試合のような気持ちだった。ただ訪れてみると、どれも今まで見なかったタイプの場所でとても楽しかった。
翌日のレイキャヴィークの旅行記はこちら レイキャヴィークの旅行記【アイスランド】
アイスランド旅のまとめ記事はこちら アイスランド旅のまとめ記事