ヴァトナヨークトルの旅行記【アイスランド】

カバー画像

2022年9月2日〜9月11日アイスランド旅で訪れたヴァトナヨークトルの旅行記。

ヴァトナヨークトルとは

画像

ヴァトナヨークトル(Vatnajökull)は、アイスランド南東部にあるアイスランド最大の氷河。レイキャヴィークからヴァトナヨークトルに移動するまでに2つの氷河を通り過ぎたが、地図を見ればそれらと比べて桁違いに大きい事が分かる。

ヴァトナヨークトルの位置図
ヴァトナヨークトルの位置図

ヴァトナヨークトルの特徴として、アイスランドの他の氷河と同様、氷河の下に活発な火山があることが挙げられる。

氷河の下の火山活動によって氷の下に水が溜まり、堰が決壊することによって引き起こされる洪水をヨークルフロイプ※といい、ヴァトナヨークトルでも頻繁に発生している。

※ヨークルフロイプ⋯氷河湖が決壊することで起こる洪水のこと。アイスランドで頻繁に発生していたため、で「氷河の流出」を意味するアイスランド語Jökulhlaupが国際的な科学用語になった。

1996年のヨークルフロイプ
1996年のヨークルフロイプ

1996年には、活発な火山であるグリムスヴォトン(Grímsvötn)北部のギャルプ(Gjálp)という場所で起こった噴火によって大規模な洪水が発生した。

なんとなくのイメージは以下の断面図の通り。

ヨークルフロイプイメージ断面図(その1)
ヨークルフロイプイメージ断面図(その1)

ギャルプの噴火の熱により溶けた水がグリムスヴォトンカルデラ湖に溜まり、許容値を超えるとカルデラ湖から水が溢れる。

ヨークルフロイプイメージ断面図(その2)
ヨークルフロイプイメージ断面図(その2)

湖から溢れた水はスケイザルアゥルヨークトル(Skeiðarárjökull)の下を通り氷河の末端から流れ出て、洪水を引き起こす。その作用によってスケイザルアゥルヨークトルの下流にはスケイザルアゥルサンドル(Skeiðarársandur)という黒い砂でできた平原が広がっている。

スケイザルアゥルサンドル
スケイザルアゥルサンドル

幸い、この辺りにはほとんど人が住んでいないため、道路や橋は破壊される事はあるものの、少なくとも1996年のヨークルフロイプでは人的被害はでなかったそうだ。

世界遺産としてのヴァトナヨークトル

ラカギーガル火口群の奥に見えるヴァトナヨークトル
ラカギーガル火口群の奥に見えるヴァトナヨークトル

登録名:ヴァトナヨークトル国立公園-火と氷のダイナミックな自然-
登録年:2019年
登録区分:自然遺産
登録基準※:(8)

※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。

登録基準とその内容(私が[UNESCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/1604)を見て要約したもの)を書いていく。

(8)地球の歴史や地形、地質などの発展過程を示す顕著な例 →氷河とその下にある火山、そしてその相互作用によって形成された独特な地形

発散型プレート境界付近に位置するという特殊な環境下において、氷河と火山によって生まれた独特の地形が認められて世界自然遺産に登録されている。

氷河の上を歩くツアー

画像

せっかく氷河を訪れるということで、ヴァトナヨークトルにて、氷河の上を歩くツアーに参加することにした。

約3時間のツアーで、1人12,000円くらいだった。

氷河ツアーの集合場所
氷河ツアーの集合場所

集合場所はヴァトナヨークトルの麓のベースキャンプだったので、キルキュバイヤルクロイストゥルからはレンタカーで移動した。

道路を横断する羊たち
道路を横断する羊たち

ファトルヨークトル

画像

ツアーで訪れた氷河はファトルヨークトル(Falljökull)という氷河で、ヴァトナヨークトルの流出氷河の一つ。その名前はアイスランド語で「落下する氷河」という意味を持ち、氷河上部は急勾配になっている。

ガイドの方が「ファットヨーグルト(太ったヨーグルト)に発音が似てるから覚えやすいでしょ。」と言っていたので名前を覚えていた。

ファトルヨークトルの位置図
ファトルヨークトルの位置図

ベースキャンプにてピッケル、登山靴(別途料金)、アイゼンなどの装備などを準備し、氷河に連れて行ってくれる。

アイゼンを付けるのは初めてだったが、歩き方なども説明してくれた。

ファトルヨークトル
ファトルヨークトル

ファトルヨークトルの全貌がこちら。氷河末端手前の砂山から氷河に登っていく。

氷河湖の方向
氷河湖の方向

途中から靴にアイゼンを取り付けて氷河を登っていくと、氷河の上の開けた場所に到着した。ガイドが「ここなら安全だ。」という範囲で少しの間だけ自由時間。

写真を撮ったり、氷河に触れたり、氷河表面を流れる水を飲んだりした。

ガイドの真似をして雪解け水を飲む友人
ガイドの真似をして雪解け水を飲む友人

3時間という短めのツアーだったので、ほとんどが移動時間だったものの、とても楽しかった。氷河の上を歩くのは初めての経験だったので当時とても感動したのを覚えている。

フィヤトルスアゥルロゥン

画像

次に訪れたのがフィヤトルスアゥルロゥン(Fjallsárlón)という湖で、奥に見えるフィヤトルスヨークトル(Fjallsjökull)末端にできた氷河湖である。

先ほど訪れたファトルヨークトルと比較して幅が広く、まっすぐで、なだらかな氷河で、スキー場のような見た目の氷河だった。

フィヤトルスアゥルロゥンの位置図
フィヤトルスアゥルロゥンの位置図

ファトルヨークトルから車で30分くらいの場所にあるが、ものの30分で天気が急変して曇天になった。

湖に浮かぶ氷
湖に浮かぶ氷

氷河湖には大小さまざまな流氷が浮かんでいるが、小さいものはかき氷くらいのサイズで湖岸に打ちあげられている。

氷河末端
氷河末端

これまで見た氷河は氷河末端が黒い砂で覆われていたが、フィヤトルスヨークトルはあんまり黒くなっておらず、きれいな氷河だった。

駐車場にレストランが併設されていたので、ここで昼ごはんを食べてから次の場所に向かった。

ヨークルスアゥルロゥン

画像

続いて訪れたのが、ヨークルスアゥルロゥン(Jökulsárlón)という氷河湖。アイスランド最大の氷河湖であるが、海と繋がっているためラグーンに分類される。

ヨークルスアゥルロゥンの位置図
ヨークルスアゥルロゥンの位置図

背後にあるのはブレイザメルクルヨークトル(Breiðamerkurjökul)という巨大な流出氷河で、その日に訪れたファトルヨークトル、フィヤトルスヨークトルと比較するとサイズ感がぜんぜん違う。

このブレイザメルクルヨークトルも近年の気候変動で後退しており、それによって大きくなっているのが氷河湖であるヨークルスアゥルロゥンである。

望遠カメラで撮影した氷河
望遠カメラで撮影した氷河

湖の反対側に氷河が見えるが、遠すぎてよく見えない。氷河末端に近づくにはボートツアーに参加する必要がありそう。

私はボートツアーは諦めて、プカプカと浮かぶ流氷を眺めるだけにした。

アザラシ
アザラシ

ヨークルスアゥルロゥンは海と繋がっているので、アザラシが泳いでいたりする。

また、海側には氷が砂浜に転がっているダイヤモンドビーチという海岸があるが、体調が悪かったので行かなかった。

スヴァルティフォス(滝)

画像

次に訪れたのはスヴァルティフォス(Svartifoss)という滝。滝の背面が柱状節理と呼ばれる多角形の柱みたいになっている不思議な滝である。

スヴァルティフォスの位置図
スヴァルティフォスの位置図

場所は午前中に訪れたファトルヨークトルよりも西側にある。

これまで訪れた滝は駐車場から歩いてすぐの場所にあることが多かったが、スヴァルティフォスはちょっと山奥にあるため、軽いハイキングをする必要がある。

滝を目指す人達
滝を目指す人達

駐車場から滝までの所要時間は徒歩で45分ほど。天気が良かったので、上半身裸でハイキングしているおじさんが居るくらい暖かかった。

立入禁止っぽい場所に居座っている挙句喧嘩していたカップル
立入禁止っぽい場所に居座っている挙句喧嘩していたカップル

なかなか独特な景観だったが、滝のサイズは小ぶりであまり迫力はなかった。

クヴァンナダルスフニュークル
クヴァンナダルスフニュークル

また、ハイキングルートの途中、クヴァンナダルスフニュークル(Hvannadalshnúkur)という山を見ることができる。

後から気が付いたのだが、この山は標高は2,110mほどでアイスランド最高峰とのことだった。

グヴォルスヴォールル

翌日はレイキャヴィーク近郊のゴールデンサークルと呼ばれる場所に行く予定だったので、クヴォルスヴォールルという町まで戻って、そこで1泊することにした。

グヴォルズヴォールルの位置図
グヴォルズヴォールルの位置図

道中に撮影した写真を貼り付けておく。

巨大な岩山
巨大な岩山
大きな谷
大きな谷
山と氷河
山と氷河
霧に覆われた牧場
霧に覆われた牧場

車で移動していると、黒砂や溶岩の平原が広がる大自然から羊や馬がいる牧草地へ景色が変わっていく。

グヴォルズヴォールルからレイキャヴィークの間には氷河は存在しないため、氷河も見納め。アイスランド旅も半分が過ぎたなあと思い、少し寂しくなった。

宿泊したホテル

画像

宿泊したのはMidgard Base Campというホテルで、4人部屋で1泊約29,000円だった。

部屋はドミトリーのような部屋だったが、我々がちょうど4人だったので、個室のように使うことができた。シャワールームは共有だが、屋上には誰でも入れるサウナと露天風呂があった。清潔な宿だったと思う。

ホテルにいた犬
ホテルにいた犬

朝出発する時はおそらくホテルで飼われている犬がお見送りしてくれた。かわいい。

ホテルの場所を示したGoogleMapをしたに貼り付けておく。

訪れた場所の地図

訪れた場所の位置図
訪れた場所の位置図

こうしてヴァトナヨークトル全体の地図を見てみると、訪れた場所は広大な氷河のごく一部に過ぎないんだなあと思った。あまりにも大きい。

感想

ヴァトナヨークトルを訪れてみての感想を書いていく。

①もっとツアーに参加しとけば

画像

当日の体調不良と、アイスランドの高額なツアー代によって参加を躊躇したため、参加したツアーは氷河の上を歩くツアーのみ。

ボートで氷河湖を回るツアーとかに参加しておいてもよかったなあと思っている。

②氷河の見え方は天気による

ファトルヨークトルとフィヤトルスヨークトル
ファトルヨークトルとフィヤトルスヨークトル

ファトルヨークトルを訪れたときは晴れ、フィヤトルスヨークトルを訪れた時は曇りという天気だった。

2つの写真を見比べると、晴れている方が氷河が青く見えるし、氷の凹凸がはっきり見えるため、大自然の荒々しさのようなものが伝わって来る気がする。

③氷の洞窟は冬季限定

洞窟っぽい写真を撮る友人
洞窟っぽい写真を撮る友人

ヴァトナヨークトルでは氷の洞窟に入るツアーが開催されているようだが、ツアーが開催されるのは冬季限定のため、参加することができなかった。

一緒にアイスランドを訪れた友人の友人が冬に行って絶賛していたらしいので、行ってみたかった。

オススメ度

★★★★★ 星5

氷河というものはオーストラリア大陸以外の全ての大陸に存在するので、日本から訪れやすい氷河はアイスランド以外にもある。ただ、アイスランドのように氷河と火山が同じ場所に存在する場所は珍しい。

そんなアイスランドのなかで最大の氷河であるヴァトナヨークトルでは、氷河湖を船で回ったり、氷河の上を歩いたり、氷の洞窟に入ったり(9月はやってなかったが)と様々なアクティビティがある。

私はツアー代をケチってあまり参加しなかったが、わざわざアイスランドまで来たのなら、そこはもう諦めて色々参加すると楽しいと思う。

次の日に訪れたゴールデンサークルについての記事はこちら ゴールデンサークルの旅行記【アイスランド】

アイスランド旅のまとめ記事はこちら アイスランド旅のまとめ記事