クラクフの旅行記【ポーランド】
2025年10月11日〜10月19日のポーランド旅で訪れたクラクフの旅行記。
クラクフについて

クラクフは首都がワルシャワに移るまでポーランドの首都だった場所で、人口約80万人のポーランド第二の都市である。
ポーランドで最も古い都市の一つで、クラクフの旧市街からカジミエシュ地区にかけて、現在でも教会や王宮などの歴史的建築物が残っている。
丘の上にあるヴァヴェル城はかつてポーランド国王の居城であった場所。

世界遺産としてのクラクフ

登録名:クラクフ歴史地区
登録年:1978年
登録区分:文化遺産
登録基準※:(4)
※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。
登録基準とその内容(私が[UNESCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/29)を見て要約したもの)を書いていく。
(4)建築物・建築群・技術の顕著な例を示すもの →中世から現在に至るまでの都市の発展を見ることができる建築物及び街並み
中世から近世にかけて形成された歴史的建築物や街並みが、戦争や開発などで破壊される事なくほぼ完全な形で残されているため、世界文化遺産に登録されている。なお、クラクフ歴史地区は世界で最初に登録された12件の世界遺産の1つである。
ワルシャワからクラクフへ

ワルシャワからクラクフまでは電車で移動した。所要時間は2時間30分くらいで、ワルシャワ中央(Warszawa Centralna)駅またはワルシャワ西(Warszawa Zachodnia)駅からクラクフ行の電車が出ている。
料金は車両や席のクラスによって変動していて、私が乗車した電車は2等席で138PLN(≒6,000円)だった。

電車のチケットはPKP InterCityのサイトで事前に購入しておいた。
購入後はメールにチケットのPDFが送付されるので、予約した電車に乗り込み、乗務員が来たときにPDFを提示すればOK。

のどかな田園風景を車窓から楽しみながら2時間30分ほどで、クラクフ中央(Krakow Growny)駅に到着した。
スタレイ・クレパルツ

旧市街の北側にあるスタレイ・クレパルツ(Stary Kleparz)という市場を覗いてみた。
歴史のある市場だそうで、入口が草に覆われていた。

お客さんは地元の人がほとんどだが、観光客もちらほらいる。

果物、野菜、肉、乳製品など食料品がたくさん並んでいる市場で、地域の特産品が見れて楽しい。クラクフはキノコ類が多かった。

ポーランド料理のピロシキなどを売っている小さなレストランがあったので食べたかったが、お腹がいっぱいだったので食べなかった。
クラクフ旧市街

クラクフ旧市街は、クラクフで最も歴史のある地区の一つで、木々が生い茂る遊歩道がある公園に囲まれている。
この公園は旧市街の周囲を囲んでいた城壁と堀の名残で、19世紀に城壁が取り壊され掘も埋められた後、公園として整備されたらしい。

ただ、すべての城壁が壊されたわけではなく、北側の一部の城壁は今も残されている。
バルバカン

旧市街を取り囲むプランティ公園にはバルバカンという要塞がある。
元々は堀の中にあったらしいが、現在は堀が埋められたため、バルバカンの周囲だけ埋め立てられずに残されている。

昔の絵を見ると、旧市街はバルバカンと橋によって、外と繋がっていたようだ。

北側正面から見ると強そうでかっこいい。
聖フロリアン門

バルバカンの南側にある聖フロリアン門を通って旧市街に入る。

聖フロリアン門付近には取り壊されなかった城壁が残っていて、半分に切ったような形の塔が面白い。

聖フロリアン門から南に伸びる通りがフロリアンスカ通りで、お土産屋や飲食店がある旧市街のメイン通りである。
中央広場

旧市街の真ん中にあるヨーロッパ最大級の広さを誇る広場が中央広場。
前日に見たワルシャワ旧市街の広場とは比べものにならないくらい広かった。

広場の中央にあるのが織物会館という建物で、昔は織物や塩、外国からの香辛料などが取引されていたらしいが、今は全てお土産屋だった。
聖マリア教会

広場に面して建つレンガ造りのゴシック様式※の建物が聖マリア教会(St. Mary's Church)。レンガ作りのためか、これまで見たことがあるゴシック様式の教会より外観は質素な印象だった。

※ゴシック様式⋯高い天井、先端が尖ったアーチ、ステンドグラスが特徴的な中世ヨーロッパの建築様式。ポーランドのような石材資源が限られていた地域ではレンガで作られることが多かった。

入場料を払えば教会の中を見学できるとのことなので入ってみた。入場料は20PLN(≒780円)。
公式サイトを確認すると、ミサが行われていない日や時間は解放されているとのこと。


教会内部は外からは想像できないくらい豪華で綺麗。
天井は青く、かなり高いため夜空のように見えて神秘的で、至るところに使われている金色の装飾も美しかった。

写真ではすごさが伝わらないと思うので、ぜひ自分の目で見てほしい。
聖マリア教会の塔

聖マリア教会の塔の上には22PLN(≒860円)払って登ることもできた。チケット売り場は教会内部のチケットと同じ場所だが、営業日や時間は異なる場合があるので注意が必要。
また、塔の中は狭く入れる人数が限られているため、チケットを買うタイミングで塔に登る時間を指定する必要がある。私は10時40分〜11時10分の枠だったので、30分毎に1枠という感じだと思う。
※教会のHPによると、2025年11月〜2026年4月まで塔は閉鎖されているらしい。
下に教会のHPへのリンクを貼り付けておく。
聖マリア教会のサイトは[こちら](https://mariacki.com/en/tours-of-the-basilica/)

塔の上までは階段をひたすら登っていく。

クラクフ旧市街の建物は屋根の色が統一されていないので、上から見た街並みはちょっとゴチャついているなという感想。

1時間に1回、毎時00分になると塔の窓からトランペットを吹く人が現れる。
途中で演奏が終わったので不思議に思ったが、これは13世紀(教会HPによると12世紀)にモンゴル軍がクラクフに攻めてきたとき、塔の上の衛兵が危険を知らせるためにトランペットを吹いていたところ、矢で射抜かれて死んでしまったという伝説が由来。
40分〜の枠で塔に登ると、目の前でトランペット演奏を見ることができるのでお得感がある。
ヤギェウォ大学

ヤギェウォ大学はポーランド最古の大学で、地動説を提唱したコペルニクス、ローマ教皇のヨハネ・パウロ二世が学んでいた。
大学の中で最も古いコレギウム・マイウスという建物は博物館として公開されていた。
ヴァヴェル城

クラクフ旧市街の南にある丘にあるのが、ポーランド王の居城であったヴァヴェル城。
城の中には、歴代の王が戴冠・埋葬されるヴァヴェル大聖堂や王が住んでいた王宮などがある。
ヴァヴェル大聖堂

この増改築を繰り返したような見た目の大聖堂がヴァヴェル大聖堂で、格式的には聖マリア教会よりも上の教会である(聖マリア教会のHPに「ヴァヴェル大聖堂に次いで、聖マリア大聖堂はクラクフで最も重要な教会です。」と書いてある)。
ヴァヴェル大聖堂はカテドラル(Cathedral)⋯司教座がある教区で一番偉い教会
聖マリア教会はバシリカ(Basilica)⋯教皇から特別な称号を認められた教会
入場料26PLN(≒1,080円)を払えば内部を見学することができるが、内部は撮影NGだったので写真はない。
歴代国王などが埋葬されている大事な場所のようだったが、個人的には聖マリア教会の方が綺麗だと思った。
王宮

ヴァヴェル城は増改築の歴史があり、王宮はルネサンス様式※に改築されたらしい。
※ルネサンス様式⋯ゴシックの次に流行った様式で、古代ギリシャ・ローマ建築を理想とし、左右対称や調和を重んじる建築。
中庭を見ると、柱の上部にギリシャ建築の装飾があったり、階段が左右対称になっていたりと、ルネサンス様式の特徴をみることができる。
内部は博物館になっているが、時間がなかったので行かなかった。
カジミエシュ地区

ヴァヴェル城の南側にある地区がカジミエシュ地区で、第二次世界大戦前までは多くのユダヤ人が住んでいた街であった。
大戦が始まると、ユダヤ人たちはヴィスワ川対岸のクラクフ・ゲットーに押し込まれ、その後アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所などに移送された。

現在もいくつかのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が街に残っているが、ユダヤ人はほとんどいないらしい。
カジミエシュ地区は、ご飯を食べに来た時に少し通っただけだが、その時に訪れた教会だけ紹介したい。
コーパス・クリスティ教会
カジミエシュ地区で夕食を食べるときに少し時間があったので訪れた教会がコーパス・クリスティ教会(Corpus Christi Church)。
見学は無料で、ほとんど観光客はおらず、とても静かな教会だった。

訪れた時間が夕方だったため、ちょうど西日が祭壇に当たっており、金色に輝く祭壇がとても神々しくて、静まり返った教会の雰囲気も相まってとても神秘的な空間だった。

世が世なら、これを見て教会に入信する人もいるだろうなと思うような光景だった。
感想
クラクフを訪れてみての感想を書いていく。
①教会がすごい

いくつかの教会を訪れたが、とりわけ聖マリア教会の美しさには感動した。
また、この記事で紹介した教会の他に、聖ペテロ聖パウロ教会や聖三位一体(Holy Trinity)教会も訪れたが、どれも大きくて立派な教会だった。
②旧市街が広い

クラクフとワルシャワの旧市街の大きさを比べると、クラクフの旧市街のほうが縦・横それぞれ2倍くらい大きい上、クラクフは旧市街の外も旧市街と同じような景観が広がっている。
広ければいいという訳ではないが、どこまで歩いても歴史的な街並みが続いているのはすごいと思った。
③見どころが多い

クラクフは歴史のある街のため、教会・お城・市場・ユダヤ人関係施設・美術館・博物館など、見どころがとても多い。
クラクフに滞在したのは約2日間ほどだったが、もっと滞在してもやることはありそうだなと思った。
さらに、クラクフから日帰りで行ける場所にはアウシュヴィッツ強制収容所やヴィエリチカ岩塩坑などの世界遺産もある。
オススメ度
★★★★★ 星5
英語版Wikipediaによると、クラクフは「教会の街」として知られているらしい。確かに街中には立派な教会がたくさんあって、見学させてもらった教会はどれも美しかった。
また、ワルシャワの場合、旧市街は現在の中心地から少し外れた場所にある観光地という感じだったが、クラクフは旧市街が今も街の中心であるかのように感じた。
次に訪れたアウシュヴィッツ強制収容所についての記事はこちら アウシュヴィッツ=ビルケナウの訪問記【ポーランド】
ポーランド旅のまとめ記事はこちら ポーランド旅のまとめ記事