カトマンズの旅行記(1/2)~ダルバール広場編~【ネパール】
2022年12月31日〜2023年1月7日のネパール旅で訪れたカトマンズの旅行記・前編。
この記事では、カトマンズ盆地が3つの王国に分かれていた時代にそれぞれ王都として栄えたカトマンズ、パタン、バクタプルについて紹介する。
なお、記載している入場料等は2023年1月時点の料金である。
カトマンズについて

ネパールの首都であるカトマンズは、ヒマラヤ山脈南側の標高1400mの高地に広がる盆地に位置しており、古くからインドと中国(チベット)との交易の要所として発展してきた都市である。
カトマンズ盆地には、古くからネワール族という民族が暮らしており、ヒンドゥー教と仏教が融合・共存するネワール文化が形成されてきた。

そのネワール文化の建築が最盛期を迎えたのは16世紀から18世紀頃だといわれている。マッラ王朝が3つに分裂し、互いに競い合うように宮殿や寺院などが建てられた時代である。
王都として栄えたカトマンズ、パタン、バクタプルのダルバール広場(王宮広場)は世界遺産に登録されている。
世界遺産としてのカトマンズ

登録名:カトマンズ盆地
登録年:1979年
登録区分:文化遺産
登録基準※:(3),(4),(6)
※世界遺産に登録されるためには(1)~(10)の登録基準を1つ以上満たす必要がある。
(1)~(6)は文化遺産基準、(7)~(10)は自然遺産基準。
登録基準とその内容(私が[UNESCOのサイト](https://whc.unesco.org/en/list/121/)を見て要約したもの)を書いていく。
(3)現存または消滅した文化の独特な証拠を示すもの →ヒマラヤの谷に古くから定住していたネワール族による文化的伝統を示す高度な工芸技術
(4)建築物・建築群・技術の顕著な例を示すもの →1500年から1800年の間に最盛期を迎えたカトマンズ盆地の高度に発達した文化を示す、宮殿群、寺院、仏塔など
(6)歴史的出来事や伝統、宗教・芸術などと直接関連するもの →当該物件がヒンドゥー教と仏教が独特な形で共存・融合していること
かつて王宮のあったカトマンズ、パタン、バクタプルのダルバール広場、スワヤンブナートやパシュパティナートなどの4つの宗教施設の計7箇所が世界遺産に登録されている。

ちなみに、2015年に発生した地震によって、多くの建物が被害を受けたため、私が訪れた2023年も修復中の建物がたくさんあった。
トリブバン国際空港

日本から香港を経由して到着したのが、ネパールの空の玄関口であるトリブバン国際空港。レンガ造りの渋い空港で規模は小さめ。

空港はカトマンズ中心部にとても近く、カトマンズのダルバール広場から5kmほどしか離れていない。
私が空港に到着したのが23時頃だったので、その日は空港近くのホテルに泊まり、翌日タクシーでタメル地区に移動した。タクシー代は900Rs.(≒900円)くらいだった。
ちなみに都心から近いことで有名な福岡空港の博多駅からの距離を調べてみたところ、2kmほどしか離れていなかった。福岡空港すごい。
カトマンズ

私がカトマンズの街を数日間歩いた感覚としては、カトマンズ中心部は東西の2つのエリアに分けることができる気がする。
西側⋯道が狭くゴミゴミしている旧市街
東側⋯自動車が通れる広い道がある程度整備されている新市街
上の地図を見ても、ダルバール広場やタメル地区がある西側のエリアは広い道(黄色)がほとんどない事が分かる。
タメル地区

西側のゴミゴミしたエリアの中でも新しい街がタメル地区で、少し前まではただの農村だったと現地のガイドが言っていた。
街には、ホテルやお土産屋などがたくさんあるが、ヒマラヤ山脈への登山を目的としてネパールに来る人も多いため、登山用品店がたくさんあったのがネパールっぽかった。

タメル地区から南に歩いていくと、アサン・チョーク、インドラ・チョークなどの交差点がある。このあたりは外国人観光客が多いタメル地区とは異なり、地元民で溢れているエリアで、食器や衣服などの日用品を扱う店が多かった。
更に南に歩いていくと、カトマンズのダルバール広場に到着する。
カトマンズ・ダルバール広場

王宮広場を意味するダルバール広場(Durbar square)は、カトマンズ盆地の古都であったカトマンズ、パタン、バクタプルの3都市に存在する広場のこと。
それぞれを区別するため、カトマンズ市にある広場は「カトマンズ・ダルバール広場」とも呼ばれる。
13世紀頃からカトマンズ盆地を支配していたマッラ朝は、バクタプルを中心に繁栄したが、15世紀に3つの王国に分裂した。その結果、カトマンズ、パタン、バクタプルの各都市が王都として発展し、それぞれ独自の王宮とダルバール広場が整備されることとなった。
カトマンズ・ダルバール広場には、マッラ朝時代に建てられた王宮や寺院が立ち並んでいる。

広場には宗教施設もたくさんあり、市民の憩いの場となっているため、ネパール人の出入りは自由だが、外国人は1,000Rs.(≒1,000円)ほどの入場料を払う必要がある。

チケットの有効期限は1日だが、旧市街のド真ん中にあるため、観光客としても広場を通れないとなると普通に不便。
たしか、パスポートとパスポート申請用サイズの顔写真を事務所に持っていくと、チケットの有効期限をビザの有効期限まで延長することができた気がする。

広場には地震によって壊れた建物がいくつかあって、中には原型を留めていないものもあった。絶賛復旧中であったが、どこまで元に戻るのだろうか。

広場でチャイを飲んだり寺院を見たりしていると、公式ライセンス?を持ったガイドが案内しようかと声をかけてきた。料金は2人で3,000Rs.(≒3,000円)だったのでお願いすることにした。

旧王宮

広場を見て回った後に向かったのが旧王宮。広場への入場券があれば、旧王宮の中にも一度だけ入ることができる。
王宮の外とは異なり、中は人が少なくて静か。ゆっくりと建築を見て回ることができる。



カトマンズの伝統的な建築では、レンガと木が多く使われており、特に細かい彫刻が施されていた窓や柱の装飾が美しかった。

ガイド曰く、王宮の警備を行っていたのはゴルカ兵の方だという。
18世紀頃までカトマンズを支配していたマッラ朝に変わってカトマンズを支配したのがゴルカ王国で、ゴルカ王国がネパールを統一したことでネパール王国が誕生した。
ゴルカ族の兵士は勇猛なことで有名で、昔からイギリス軍にゴルカ部隊が存在し、現在でも続いているようだ。
ちなみに、漫画ワンピースのヘルメッポというキャラの武器「ククリナイフ」はゴルカ兵の武器である。
クマリの館

ガイドに連れられて訪れたのはクマリの館。クマリというのは、ネパールに住む「生きた女神」のことで、ネパールには仏教徒の少女から選ばれた人が、初潮を迎えるまでクマリとして過ごす伝統がある。
カトマンズのクマリ以外にも、ネパール各地にローカルクマリがいるらしいが、カトマンズのクマリが最も有名でロイヤルクマリと呼ばれている。

私はタイミングよくクマリの顔を拝むことができた。
クマリは笑わない方が良いとされており、実際に窓から顔を拝んだときも、クマリは無表情だった。 幽閉されているみたいで、少しかわいそうに思ったが、伝統なのでなんとも言えない。それにクマリには退職手当もあるようなので少し安心した。

ガイドの方には1~2時間ほど案内をしてもらい、広場のことやネパールのことを色々教えてもらった。案内の最後には宗教画のお店に連れて行かれたが、買うことを強要されなかったし、チップも要求されなかった。
詳しくない宗教の話を聞くことができ、とても楽しかったのでガイドを頼んでよかったと思う。
パタン(ラリトプル)

次に訪れたのはカトマンズ市の南側に位置するパタン(正式名称:ラリトプル)という街。

カトマンズとパタンは、別々の国に分かれていたとは思えないほど近く、タクシーで向かうと20分くらいで到着した気がする。

パタン・ダルバール広場

パタン・ダルバール広場も、他と同様に地震の影響を受けており、特に王宮前の道は工事の真っ只中だった。
そして、カトマンズ・ダルバール広場と同じく1,000Rs.(≒1,000円)ほどの入場料がかかる。

広場には他のダルバール広場と同様に、たくさんの寺院が立ち並んでいる。
一際目立つのがクリシュナ寺院。カトマンズではあまり見なかった石造りの寺院で、なんとなくインドっぽさを感じる。
旧王宮

広場のチケットがあれば、パタンの旧王宮の中にも入ることができる。
建築の装飾などはカトマンズの旧王宮と結構似ている。


パタンの旧王宮の一部では、芸術品などを展示しており、2階からの窓からはダルバール広場を眺めることもできる。
旧王宮内部に関してはパタンが1番充実していた気がする。
クンベシュワール寺院

パタン・ダルバール広場から北に少し歩いたところにあるのがクンベシュワール寺院というヒンドゥー教の寺院。周辺には、他の寺院や水飲み場などの宗教施設が密集している。

パタンではガイドに案内をお願いしなかったので、何をしているのかよく分からなかったが、宗教色の強い場所だった。
バクタプル

旧王宮がある三都市のうち、最後に訪れたのがバクタプルという街。
マッラ朝がカトマンズ、パタン、バクタプルの3つの王国に分裂する前は、このバクタプルに首都が置かれていた。

バクタプルはパタンとは異なり、カトマンズからは少し離れた郊外にある。
その日はバクタプルのほかに、ボダナートなどの寺院も一緒に訪れたので、タクシーを1日チャーターすることにした。ホテルの社長に手配してもらい、料金は2人で5,000Rs.(≒5,000円)くらいだった。
カトマンズからバクタプルまでは1時間くらいかかった気がする。

市役所付近にチケットオフィスがあり、ほかの広場と同様に入場料を払ったが、バクタプルは少しだけ料金が高く、1人1,500Rs.(≒1,500円)だった。
また、チケットオフィスの前で声を掛けてきたガイドに案内をお願いすることにした。
バクタプル・ダルバール広場

最初に訪れたのは、バクタプルのダルバール広場。地震の影響もあるかもしれないが、ほかの都市と比べて広々としていて、落ち着いる印象を受けた。
上の写真を見ると、地震対策のために白い建物に木のツッパリ棒のようなものが付けられている。心許ないと感じるのは私だけだろうか。
広場には復旧作業中の建物もあったものの、3都市の中では最も復旧作業が進んでいるように感じた。

木製の窓が並ぶ「55の窓の宮殿」や、石の寺院である「シッディ・ラクシュミ寺院」など広場には様々な建物がある。
特に、木製の細かい装飾が施された窓が列ぶ55の窓の宮殿はとても美しかった。
旧王宮

カトマンズとパタンの旧王宮と同じく、バクタプルの旧王宮にも入ることができる。金で美しい装飾がなされている「黄金の門」から入ったのは覚えているが、その中での記憶はほとんどない。

唯一覚えているのが、旧王宮内のため池のような場所でガイドから教えてもらった豆知識。
水が出るところには、マカラという半分ヤギ・半分魚のようなヒンドゥー教の架空の生き物が描かれていることが多いらしい。
ガイドからは「英語だとカプリコーンだね。知ってるでしょ?」と言われたが、最初はなんのことか分からなかった。
調べてみると、十二星座のやぎ座の原型は、「魚の尾を持つヤギ」の姿をしたカプリコーンという生き物だった。私はずっと普通のヤギだと思っていた。

ニャタポラ寺院

ダルバール広場から南東に進んでいくと、ニャタポラ寺院という名前のかわいい寺院がある。

下からの眺めがとてもかっこいい。

ニャタポラ寺院の近くには名物のヨーグルトを売っているお店がある。恐る恐る食べてみると、とても美味しかった。
別途、ネパールのレストラン紹介の記事で紹介したいと思う。
ネパールのレストラン紹介の記事はこちら ネパールのレストランを紹介する記事

ヨーグルトを食べたあと、広場から東側に伸びる通りが賑やかそうだったので、そっちに歩いて行くことにした。
ダッタトラヤ広場

ニャタポラ寺院から10分くらい歩くと、ダッタトラヤ広場に着いた。街の最も古い地区だそうで、寺院や昔からの休憩場などがある。

ダッタトラヤ広場まで行ったところで、ダルバール広場へ引き返すことにしたので、バクタプル観光はここで終了。
バクタプルは、他の街と比較して空気もきれいだったし、レンガ造り家が多く残っているため、街並みがきれいだった。
もらったパンフレットを見てみると、伝統的な方法で建てた家に対して助成金を出しているらしく、清掃活動にも力を入れていると書いてあった。
バクタプルに1泊しても良かったなあと思いながらカトマンズに帰った。
寺院編へ続く
この記事では、カトマンズ盆地の3都市にあるダルバール広場を紹介したが、カトマンズ滞在中に訪れたいくつかの寺院については、~寺院編~として別の記事にまとめている。
寺院編の記事はこちら カトマンズの旅行記(2/2)~寺院編~【ネパール】
ネパール旅行のまとめ記事はこちら ネパール旅のまとめ記事